プラズマの松下は有機ELに負けるか?
第3回ディスプレイ2007で、
次世代の薄型テレビの技術は、有機ELが有力になった。
ソニーは、11型を今年にも販売、東芝松下ディスプレイテクノロジーは、2009年度には、市場投入である。
有機ELは圧倒的に薄い、しかも画像は非常に綺麗。価格と耐久性が適切ならあっという間に普及することは間違いがない。
技術的にはインクジェットで可能なので、初期段階から、大型化、低価格化の可能性がある。
ディスプレイという大型技術商品市場で、基本的な技術革新が行われる変動期に、今(2007年)はあるといえる。
その中で既存技術で優位にたっているメーカーがどう動くかは、ビジネス的には注目すべき事柄だろう。
液晶のシャープと、プラズマの松下がどう有機EL対応するかである。
液晶の雄であるシャープは、サブディスプレイではあるが有機ELの携帯商品を市場投入している。技術的には、液晶と有機ELは近いので、シャープが本気になれば、有機EL市場で成功を収める可能性は高い。
一方、プラズマは技術的には、有機ELとは異なるので、技術的な転換は難しい。松下のプラズマが危ういというのは、株価にも反映している。
先行しているソニーに対する優位性を松下はもっていないのだろうか?
東芝松下ディスプレイテクノロジーは、インクジェット方式の有機ELを第3回ディスプレイ2007に出展している。暗く、製品としては、完成度が低い、市場投入もソニーに比べると遅いスケジュールだ。早期の市場投入と、マーケティングであるが、現時点では、通常の市場投入を前提にしていては、ソニーとの遅れを取り戻すのは難しいだろう。市場投入は、量産ノウハウの蓄積につながる。市場価格で、差がついた場合に後発のメーカーがその差を埋めるのは難しい。
技術的観点をはずして、サービスという観点からは、別の市場投入がありえる。
一般消費者マーケットに、完成された製品という形での市場投入は難しいが、販売ではなく、レンタルという形ならば、早期の市場投入が可能なのではないか?
もちろん、従来のディスプレイシステムでレンタルは、可能である。
インクジェット式の有機ELが優位性を持ちうるとするなら、ランニングコストがトータルで見て、液晶やプラズマよりよいことである。寿命が、半年しかないディスプレイでも、40型が5000円くらいでできるなら、レンタルで経済的に十分見合う可能性がある。
どこにレンタルするかであるが、40型の大きさのディスプレイを安価にレンタルできるなら可能性は結構あるのではないだろうか?
LEDでできた電光掲示板はあちこちで使われている。これの代替はできないだろうか?
SDにデータをいれて簡単に再生できる仕組みなら、結構いけるだろう。また、社内において、ニュースを流すのにも使える。
松下は、レンタルつまり、販売ではなくサービス化では、先行事例をもっている。
『あかり安心サービス』である。
http://biz.national.jp/Ebox/akarianshin/akari_01.html
照明用のランプの販売から、照明関連の維持をするサービスへ切り替えたビジネス展開である。
この『あかり安心サービス』と同じ発想で、ディスプレイレンタルはできないだろうか?
現行の一般消費者向けマーケティングとも競合しないメリットがある。
さらに、ディスプレイに対して、画像配信をする仕組みにするのはどうだろう。
いわゆるデジタルサイネージである。広告配信にすれば、レンタルどころか、設置した場所に対して、設置料を出すことも可能である。
低価格で、寿命の短いディスプレイを早期に市場投入するためのレンタル、サービス化がもし、ビジネス的に意味あるなら、松下にとってやってみる価値はあるではないだろうか?
販売でなく、サービス化という観点から、新製品の市場投入を早め、量産ノウハウの蓄積を先行することは、これからのメーカーにとって意味ある行動ではないだろうか?
サービス化で先行している松下にとってもしかしたら大きな先行アドバンテージなのかもしれない。多くの販売代理店を抱えていた構造が、経済的な負担から、重要なマーケティング拠点へと変貌する可能性も持っている。
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